高山教区・高山別院では、別院本堂の御修復を完遂し、2019年5月、「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要」を厳修いたします。 親鸞聖人の門弟であった嘉念坊善俊上人が飛騨に入られ約770年、以来、飛騨各地に念仏の道場(寺院)が次々と開かれ、善俊上人の流れを汲む「飛騨御坊高山別院」を中心道場として飛騨真宗の土壌を築き、今日まで多くの念仏者が生み出されてまいりました。 このたび、大きな節目として宗祖御遠忌法要をお迎えすることですが、私たちにまで伝えられてきた飛騨真宗のこころを次の世代に伝えていくこと、新たに念仏者が誕生し続けていくことを願いとし、御遠忌法要教化、そして記念事業「本堂等御修復事業」に取り組んでまいります。
高山教区・高山別院 宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌推進委員会
2011年に宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌をお迎えするにあたり、真宗大谷派では、「今、いのちがあなたを生きている」というテーマが打ち出されています。 このテーマの「いのち」とは、人類の歴史を貫いて誰の底にも流れている深い願い、「私は何のために生まれてきたのか」「どこに向かって生きているのか」といった、私の根源から湧(わ)き出てくる「問い」なのでしょう。 飛騨の地に生きる私たちは、この「いのち」というテーマを、さらに親鸞聖人自身の言葉にたずねることにしました。 それは、親鸞聖人が29歳のときに、師・法然上人に出遇った感動をはっきりと表した言葉、「雑行を棄てて本願に帰す」であります。
思えば私たち人類の歴史は、より豊かな暮らし、より正しい社会、そしてより進歩した文明を求めての限りない歩みでありました。しかしその歩みは、往々にして逆に一人ひとりの人間を追い詰め、時に殺戮してしまうものではなかったでしょうか。 現代の日本においても、老いも若きも、誰もが不平と不満をいだきながら、いつもいらいらし、不安にさいなまれています。ついには、「人として生まれた意義と生きる喜び」を見出せないまま、11年連続しての3万人を超える自死者と、毎日のように報道される他殺者とを生み出しつづけています。 こうした現代日本を生きる私たちに、親鸞聖人は、私たちが「正しい」と信じて行ってきたことの、その全てが「雑行」ではないかと教えられます。そして、「雑行」と知らせるはたらきが「如来の本願」なのです。人類の歴史の上にたえず繰り返されてきた、止むことのない闘争・戦争・差別・いじめ・・・、それらは決して私と無関係ではなく、この私のあり方が生み出すのです。この自覚を私たちにうながすはたらきが本願であり、その呼びかけに気づくことが本願との出遇いなのでしょう。
「雑行を棄てて本願に帰す」という親鸞聖人の決断は、決して自分が思い描いた理想を実現したというような、到達点を表す言葉ではありません。如来の本願から問われ続け、新しく歩みを踏み出す転換点の言葉です。同時に、今の世を生きる私たちに、「雑行を棄てて本願に帰せよ」と願い続ける親鸞聖人の呼びかけであります。
私たちは、如来から、そして親鸞聖人から、「そのままでいいのか」と問われ続けています。その問いかけの前に身を据え、「このままでいいのか、今の世・この私」という内から湧いてくる共なる問いを大切にして、聖人の御遠忌をお迎えしてまいりたいと思います。
2008年2月20日発表
―ともに「正信偈」のおつとめを―
「同朋唱和」とは、僧侶と門徒の隔てなく、そこにいるすべての人が声を出しお勤めをすることをいいます。お勤めは「聞く(教えを)」ということが最も大事なことですが、声を出すということも、主体的に仏事の参加者になるという意味合いにおいて大切です。 近年、仏事の場で、特に若い世代からお勤めの「声」が聞かれなくなってきています。このたびの宗祖御遠忌を機に、親鸞聖人が著わされた「正信偈」の響きを別院からお寺へ、また各家庭へと伝えていきたいという願いから、同朋唱和でのお勤めの座を設けることとなりました。
【法要内容・対象】 | |
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にっちゅう同朋唱和 | |
日時 | 初日中 2019年5月11日(土) 午前10時 |
内容 | 正信偈 草四句目下 念仏和讃淘三 「三朝浄土の大師等」次第三首 |
対象 | 「組門徒会員」を中心とした方々 |
おたいや同朋唱和 | |
日時 | 大逮夜 2019年5月11日(土) 午後1時半 |
内容 | 正信偈 真四句目下 念仏和讃淘五 「五十六億七千万」次第六首 |
対象 | 各寺から代表してご参加いただく方々 |
高山教区・高山別院では、2019年5月の飛騨御坊御遠忌750に先立ち「大人も子どももほとけの子」をテーマに「家族deご遠忌」をお勤めします。50年に一度の宗祖の御遠忌に、未来を担う子どもたちとその家族、大切な人々と出遇ってほしいとの願いから勤められます。
日時 | 2019年4月28日 |
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会場 | 高山別院 |
高山教区・高山別院では、宗祖御遠忌記念出版として、『真宗大谷派勤行集』(赤本)の和訳本、『正信偈同朋唱和集―現代語訳付』を発行いたしました。 当初、宗祖の著作、特にお勤めにまでなった「正信偈」「和讃」の現代語訳に触れていただけるものを発行したいということから御遠忌の記念出版として企画され、2015年に出された高山教区・高山別院の御遠忌法要教化における「同朋唱和」「報恩講」「伝える・伝わる」というコンセプトを具体化、推進していくうえでの勤行本(テキスト)として改めて発刊の願いが確認され、御遠忌懇志の記念品として発行することとなりました。 より多くの方々に手に取っていただくことを期し、御遠忌法要及び報恩講などの同朋唱和にご使用いただくことが願われています。
装丁/A5判 並製 154頁 御遠忌記念品の他、有償頒布も行っております。 ⇒ 高山教務所までお問い合わせ下さい。
『真宗大谷派勤行集』(通称『赤本』)は、真宗門徒の家庭に必ず一冊はある、大谷派のロングセラーともいうべき勤行本です。1965(昭和40)年の発行以来、平生のおつとめ本として多くの人に長く伝えられ親しまれてきました。 昨今、「『正信偈』や『和讃』のおつとめはできるけれど、どんなことが書かれているか意味が知りたい」という声が多く聞かれ、その要望に応えるべく、このたび現代語訳付きのお勤め本を発行することとなりました。 長くなじまれてきた『赤本』の構成・頁数をベースに、上段には「正信偈」「和讃」をはじめ、平生のおつとめに用いるお聖教の文が、下段にはその現代語訳が付してあり、この一冊で従来どおりのおとつめ本としても、また聞法会のテキストとしても用いることができるようになっています。さらに巻末には、浄土真宗でもっとも大切な仏事(法事)である報恩講で用いられる和讃(「五十六億七千万」次第六首および「三朝浄土の大師等」次第三首)に、実際のおつとめの次第に合わせて念仏・回向を付けた「報恩講のおつとめ」を増補しました。これまで『赤本』に親しんでこられた方はもちろん、初めて手に取る方にも親鸞聖人のお言葉とお心にふれていただける一冊です。 「南無阿弥陀仏」と念仏する声は聞こえず、報恩講の意義が曖昧になり、家庭で勤まらなくなって久しい現在に、わたしたちは折しも「高山教区・高山別院 宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要」を迎えようとしています。50年に一度のこの機会を勝縁として、一人でも多くの方が本願念仏のみ教えに出遇い、ともに「正信偈・念仏・和讃」を唱和(同朋唱和)して「報恩謝徳」の生活に立ち帰っていく。この『正信偈同朋唱和集』がその一助となることを切に願ってやみません。
2017(平成29)年6月28日
真宗大谷派 高山教区・高山別院 宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌推進委員会
高山別院が飛騨真宗門徒の中心道場として後世にわたって相続され、地域の方々や観光客をはじめ様々な人達にも開かれた別院を実現するため、また、安全安心な別院本堂とし整備すべく、宗祖御遠忌記念事業として別院本堂御修復工事を行います。 なお、本堂屋根破損状況を鑑み、早急に屋根工事に取り掛かる必要性があることから、屋根葺き替え工事及び庫裡改修工事を第一期とし、耐震補強工事及び他付帯工事については第二期工事とし分割して実施いたしております。
【記念事業工事予算総額】 | 445,300,000円 |
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【高山別院本堂等御修復工事日程】 | |
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第一期工事 別院本堂屋根改修工事・庫裡改修工事 | |
工事期間 | 2016年4月~10月末 <工事完了> |
第二期工事 別院本堂耐震補強工事・その他付帯工事・内陣荘厳修復工事 | |
工事期間 | 2017年12月~2018年10月中旬 <工事実施中> |
【工事内容の変更】 |
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<耐震補強工事-耐震補強方法の変更・庇補強工事の取りやめ> |
耐震補強工事については、当初計画段階では鉄骨ブレイス方式が提示されてまいりましたが、さらに景観に配慮した方式として、H鋼材を格子状に組み上げ化粧材を敷設する新たな工法に変更されました。また、庇の補強工事についても、瓦屋根で無く銅板葺での工事となり軽量化されたこともあり庇自体の落下の危険性は小さいと判断し、庇補強工事も取りやめとなりました。 |
<本堂内陣荘厳御修復工事> |
本堂荘厳御修復工事については、当初計画されていた内容に加え、中尊前須弥壇宮殿をはじめ、主要な仏具及び内装の改修も行うことで計画変更されました。 <修復内容> 掛け軸修復・中尊前(宮殿・須弥壇・上卓・前卓・瓔珞・金灯籠) 祖師前(宗祖厨子・須弥壇・前卓・瓔珞・金灯籠) 御代前/右余間仏具(前卓) 法要仏具(御讃卓) 框金具腰板修復・襖修復・折障子修復・金紙張替え・漆塗り部分修復 なお、別院列座職員の寄付により、嘉念坊上人の御厨子も御修復されることとなりました。 |
植樹式 期日:2017年12月11日 会場:真宗本廟(東本願寺)阿弥陀堂南側
「荘川桜を東本願寺に植樹しよう!」そんな声が上がったのは2010年のことでした。そして、2017年12月11日、天候に恵まれる中、宗祖御遠忌記念事業として「荘川桜真宗本廟植樹式」が執り行われました。 荘川桜は、阿弥陀堂南側の広々とした場所に植樹され、式典には、ご門首夫妻をはじめ宗務総長、移植を手掛けていただいた加藤造園の方々のほか、高山教区から足を運んだ荘川・白川を中心とした団体参拝の皆さまなど、総勢100名を超える方々が参列されました。
高山教区・飛騨真宗の歴史を紐解くとき、親鸞聖人と高山別院(飛騨御坊)照蓮寺の開基である嘉念坊善俊上人との伊豆三島での出遇いがまず語られます(『嘉念坊御命日記』高山別院所蔵)。後に、嘉念坊上人は飛騨に招かれ、白川郷鳩ケ谷に道場を築かれ、飛騨に真宗の教えが伝わり始めます。蓮如上人の頃、一時断絶の危機はあったものの、荘川中野の地に照蓮寺として再興され、この頃から照蓮寺を中心道場として飛騨各地に念仏の道場が開かれ、親鸞聖人の明らかにされた真宗の教えがさらに広まり伝えられていきました。 この飛騨真宗の歴史の語り部として、昭和30年代に御母衣ダム建設のため水底となった荘川中野の照蓮寺と光輪寺の境内地から現在の地に移植された「荘川桜」があります。樹齢500年ともいわれる二本の「荘川桜」の傍には、嘉念坊善俊上人の像が建てられています。
飛騨地域書店で開催
親鸞聖人のことを一人でも多くの方に知っていただきたい! 御遠忌に向けて、そういった機会をさらに広げたいとの願いから、飛騨地域の一般書店のご協力をいただき、「御遠忌ブックフェアー」を開催いたします。 東本願寺出版の書籍をはじめ、親鸞聖人、浄土真宗に関係する書籍を置いていただいていますので、是非ご覧ください。<ブックフェアー開催書店> 2019年の開催 | |
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田近書店 本町店(高山市本町2-5) 田近書店 三福寺店(高山市三福寺町407-1) | 2019年3月1日~6月末 |
ブックス・アイオー(高山市岡本町2丁目41 カルパティオ) | 2019年3月1日~6月末 |