飛騨御坊御遠忌750

高山教区・高山別院 宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要厳修 ありがとうございました。御遠忌の様子をまとめたひだご坊御遠忌特別号はこちらからご覧いただけます。

 高山教区・高山別院では、別院本堂の御修復を完遂し、2019年5月、「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要」を厳修いたします。
 親鸞聖人の門弟であった嘉念坊善俊上人が飛騨に入られ約770年、以来、飛騨各地に念仏の道場(寺院)が次々と開かれ、善俊上人の流れを汲む「飛騨御坊高山別院」を中心道場として飛騨真宗の土壌を築き、今日まで多くの念仏者が生み出されてまいりました。
 このたび、大きな節目として御遠忌をお迎えすることですが、私たちにまで伝えられてきた飛騨真宗のこころを次の世代に伝えていくこと、新たに念仏者が誕生し続けていくことを願いとし、御遠忌法要教化、そして記念事業「本堂等御修復事業」に取り組んでまいります。

高山教区・高山別院
宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌推進委員会

御遠忌基本計画

高山教区・高山別院 宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌基本計画

 真宗本廟(東本願寺)におきましては、2011年、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要が厳修されました。高山教区・高山別院におきましても、別院本堂の御修復を完遂し、2019年5月に「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要」を厳修することが決定されました。
 宗祖親鸞聖人が顕かにされた念仏の教えは、聖人のお弟子であった嘉念坊善俊上人によって今から770年余り前に、この飛騨の地にもたらされました。以来、飛騨各地に念仏の道場(寺院)が次々と開かれ、善俊上人の流れを汲む「ひだご坊高山別院」を中心道場として飛騨真宗の土壌を築き、今日まで多くの念仏者が生み出されてまいりました。
 その念仏者の誕生を証するものがあります。それは、創建以来、実に8回に及ぶ焼失に見舞われながらも、そのたびに飛騨一円の真宗門徒の再建にかける熱意によって復興されてきた、という事実です。そして、この幾度にもわたる再建・復興に取り組んできた先達方が生きた尊い歴史の上に、今私たちがあることを改めて確かめて、このたびの御遠忌・御修復の事業推進に取り組んでまいりたいと思います。
 今日、社会状況の急激な変化の中で、世代を超えて共有されてきた価値観が失われ、家庭や地域で伝えられてきた「念仏の仏事」「報恩感謝の仏事」が伝わりにくくなってきています。このことは、2012年に実施された宗派による実態調査において、飛騨における「お内仏での報恩講」が低率・減少傾向となってきていることとして表れています。
 このたび御遠忌をお迎えしようとする私たちは、私たちにまで伝えられてきた飛騨真宗のこころを、どのように次の世代に伝えていくのか。特に、「報恩講」「おつとめ」「お内仏」といった仏事の回復を視点として、御遠忌に向けての法要教化に取り組んでまいります。
 御修復記念事業につきましては、まず、1963(昭和38)年に再建された現在の別院本堂は、約50年の風雨・積雪に耐えてきた結果、特に屋根の破損による著しい雨漏りはこれ以上見過ごせない状況です。さらに東日本大震災による社会的要請もあって実施された耐震調査の結果、相当な補強工事が必要であることも判明いたしました。これら本堂屋根改修工事及び耐震補強工事を中心に、2019年の御遠忌法要までに「高山別院本堂等御修復工事」を実施することとなりました。
 宗祖750回御遠忌法要という真宗門徒にとって連綿と相続されてきた大切な法縁に出会えた私たちは、「ご坊さま」と呼ばれ親しまれてきた高山別院が、今後も飛騨の中心道場として後世にわたっても相続され、ご門徒をはじめ地域の人々やすべての人たちにも開かれた別院としていくためにも、安心安全な別院本堂を確立するこのたびの記念事業を実施してまいります。
 以上のような目的達成のために、御遠忌に向けて御遠忌推進委員会はもとより、教区・別院をあげてさまざまな取り組みがなされてまいります。しかし、それらは2019年の御遠忌法要で終わるものではありません。御遠忌教化事業も御修復事業も、御遠忌以降の教区と別院の将来展望を見据えての取り組みであります。このたびの御遠忌を機縁に、改めて私たちのこれまでとこれからのあり方を問いなおし、これまで大切に受け継がれてきた念仏の心を、次世代の子や孫に手渡すことを願いとして、皆様とともに歩む道を探ってまいります。  御遠忌に向けて、この時代を生きる私たちに課せられた使命として、有縁の方々のご理解・ご懇念を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

御遠忌テーマ

高山教区宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌テーマ

雑行を棄てて本願に帰す

 2011年に宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌をお迎えするにあたり、真宗大谷派では、「今、いのちがあなたを生きている」というテーマが打ち出されています。
 このテーマの「いのち」とは、人類の歴史を貫いて誰の底にも流れている深い願い、「私は何のために生まれてきたのか」「どこに向かって生きているのか」といった、私の根源から湧(わ)き出てくる「問い」なのでしょう。
 飛騨の地に生きる私たちは、この「いのち」というテーマを、さらに親鸞聖人自身の言葉にたずねることにしました。
 それは、親鸞聖人が29歳のときに、師・法然上人に出遇った感動をはっきりと表した言葉、「雑行を棄てて本願に帰す」であります。

 思えば私たち人類の歴史は、より豊かな暮らし、より正しい社会、そしてより進歩した文明を求めての限りない歩みでありました。しかしその歩みは、往々にして逆に一人ひとりの人間を追い詰め、時に殺戮してしまうものではなかったでしょうか。
 現代の日本においても、老いも若きも、誰もが不平と不満をいだきながら、いつもいらいらし、不安にさいなまれています。ついには、「人として生まれた意義と生きる喜び」を見出せないまま、11年連続しての3万人を超える自死者と、毎日のように報道される他殺者とを生み出しつづけています。
 こうした現代日本を生きる私たちに、親鸞聖人は、私たちが「正しい」と信じて行ってきたことの、その全てが「雑行」ではないかと教えられます。そして、「雑行」と知らせるはたらきが「如来の本願」なのです。人類の歴史の上にたえず繰り返されてきた、止むことのない闘争・戦争・差別・いじめ・・・、それらは決して私と無関係ではなく、この私のあり方が生み出すのです。この自覚を私たちにうながすはたらきが本願であり、その呼びかけに気づくことが本願との出遇いなのでしょう。

 「雑行を棄てて本願に帰す」という親鸞聖人の決断は、決して自分が思い描いた理想を実現したというような、到達点を表す言葉ではありません。如来の本願から問われ続け、新しく歩みを踏み出す転換点の言葉です。同時に、今の世を生きる私たちに、「雑行を棄てて本願に帰せよ」と願い続ける親鸞聖人の呼びかけであります。

 私たちは、如来から、そして親鸞聖人から、「そのままでいいのか」と問われ続けています。その問いかけの前に身を据え、「このままでいいのか、今の世・この私」という内から湧いてくる共なる問いを大切にして、聖人の御遠忌をお迎えしてまいりたいと思います。

2008年2月20日発表

同朋唱和推進

「同朋唱和御遠忌」としての展開を願って

―ともに「正信偈」のおつとめを―

同朋唱和推進  「同朋唱和」とは、僧侶と門徒の隔てなく、そこにいるすべての人が声を出しお勤めをすることをいいます。お勤めは「聞く(教えを)」ということが最も大事なことですが、声を出すということも、主体的に仏事の参加者になるという意味合いにおいて大切です。
 近年、仏事の場で、特に若い世代からお勤めの「声」が聞かれなくなってきています。このたびの宗祖御遠忌を機に、親鸞聖人が著わされた「正信偈」の響きを別院からお寺へ、また各家庭へと伝えていきたいという願いから、同朋唱和でのお勤めの座を設けることとなりました。

【法要内容・対象】
初日中 2019年5月11日(土) 午前10時
内容 正信偈 草四句目下 念仏和讃淘三 「三朝浄土の大師等」次第三首
対象 「組門徒会員」の方々を中心とした方々
大逮夜 2019年5月11日(土) 午後1時半
内容 正信偈 真四句目下 念仏和讃淘五 「五十六億七千万」次第六首
対象 各寺から代表してご参加いただく方々

家族de御遠忌

家族de御遠忌

「正信偈」和訳本

高山教区・高山別院 宗祖750回御遠忌記念出版
『正信偈同朋唱和集―現代語訳付』
(『真宗大谷派勤行集』現代語訳本)を発行

「正信偈」和訳本  高山教区・高山別院では、宗祖親鸞聖人の御遠忌記念出版として、『真宗大谷派勤行集』(赤本)の和訳本、『正信偈同朋唱和集―現代語訳付』を発行いたしました。
 この事業につきましては、当初、宗祖の著作、特にお勤めにまでなった「正信偈」「和讃」の現代語訳に触れていただけるものを発行したいという趣旨により御遠忌の記念出版として企画されましたが、2015年に出された高山教区・高山別院の御遠忌法要教化における「同朋唱和」「報恩講」「伝える」というコンセプトを具体化、推進していくうえでの勤行本(テキスト)として改めて重要視され、御遠忌懇志の記念品として発行することとなりました。
 縁あるより多くの方々に手に取っていただくことを期し、御遠忌法要及び報恩講などの同朋唱和にご使用いただくことが願われています。

装丁/A5判 並製 154頁
御遠忌記念品の他、高山教区内を中心に有償頒布も行っております。
⇒ 高山教務所までお問い合わせ下さい。

『正信偈同朋唱和集-現代語訳付-(仮称)』発刊に寄せて

 『真宗大谷派勤行集』(通称『赤本』)は、真宗門徒の家庭に必ず一冊はある、大谷派のロングセラーともいうべき勤行本です。1965(昭和40)年の発行以来、平生のおつとめ本として多くの人に長く伝えられ親しまれてきました。
 昨今、「『正信偈』や『和讃』のおつとめはできるけれど、どんなことが書かれているか意味が知りたい」という声が多く聞かれ、その要望に応えるべく、このたび現代語訳付きのお勤め本を発行することとなりました。
 長くなじまれてきた『赤本』の構成・頁数をベースに、上段には「正信偈」「和讃」をはじめ、平生のおつとめに用いるお聖教の文が、下段にはその現代語訳が付してあり、この一冊で従来どおりのおとつめ本としても、また聞法会のテキストとしても用いることができるようになっています。さらに巻末には、浄土真宗でもっとも大切な仏事(法事)である報恩講で用いられる和讃(「五十六億七千万」次第六首および「三朝浄土の大師等」次第三首)に、実際のおつとめの次第に合わせて念仏・回向を付けた「報恩講のおつとめ」を増補しました。これまで『赤本』に親しんでこられた方はもちろん、初めて手に取る方にも親鸞聖人のお言葉とお心にふれていただける一冊です。
 「南無阿弥陀仏」と念仏する声は聞こえず、報恩講の意義が曖昧になり、家庭で勤まらなくなって久しい現在に、わたしたちは折しも「高山教区・高山別院 宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要」を迎えようとしています。50年に一度のこの機会を勝縁として、一人でも多くの方が本願念仏のみ教えに出遇い、ともに「正信偈・念仏・和讃」を唱和(同朋唱和)して「報恩謝徳」の生活に立ち帰っていく。この『正信偈同朋唱和集』がその一助となることを切に願ってやみません。

2017(平成29)年6月28日

真宗大谷派 高山教区・高山別院
宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌推進委員会

別院本堂等御修復事業

御遠忌記念事業「高山別院本堂等御修復工事」

別院本堂等御修復事業  高山別院が飛騨真宗門徒の中心道場として後世にわたって相続され、地域の方々や観光客をはじめ様々な人達にも開かれた別院を実現するため、また、安全安心な別院本堂とし整備すべく、宗祖御遠忌記念事業として別院本堂御修復工事を行います。
 なお、本堂屋根破損状況を鑑み、早急に屋根工事に取り掛かる必要性があることから、屋根葺き替え工事及び庫裡改修工事を第一期とし、耐震補強工事及び他付帯工事については第二期工事とし分割して実施いたしております。

  1. 本堂屋根の葺き替え並びに耐震補強工事
    1. 本堂屋根葺き替え工事
      <工事内容>
      銅板葺による屋根葺き替え工事・木工事・避雷針の設置
    2. 本堂耐震補強工事
      <工事内容>
      鉄骨ブレース+RC壁増設・庇補強工事・屋根トラス補強工事
      本堂天井改修工事(トラス補強工事に伴う天井張り替え)
      鉄骨ブレース部化粧壁(10ケ所)・本堂壁塗装改修工事
  2. 付帯工事
    1. 本堂内外装改修工事
      <工事内容>
      中性化防止塗装塗替え工事・本堂内照明設備工事(LEDに交換)
      御堂番部屋移動・外陣廻りサッシ工事・畳表替え工事
      中尊裏壁改修工事・放送設備設置工事(全館)
      内陣東側廊下収納棚及び水屋の設置
    2. 御坊会館改修工事
      <工事内容>
      東側便所改修工事・講師用便所改修工事・講師室エアコン設置工事
      乗務員休憩室改修工事・東側通路和室に改修・パブリックスペース設置
    3. 庫裡改修工事
      <工事内容>
      屋内便所(書院隣室内に洋式便所1ヶ所造作)
      炊事場改修(床張替え、流し台交換、窓サッシ)
  3. 内陣荘厳修復工事
    1. <修  復>
      瓔珞・金灯籠・鶴亀菊灯の歪み補正・金紙張替え・漆塗補修・折障子張替え及び補修・上人卓(購入) 他
  4. その他
    • より参拝しやすい施設を目指し、バリアフリー化を意識した工事を行う。
    • 本堂及び御坊会館などで使用する机や椅子など備品についても、教化委員会など関係団体と設備の活用方法の検討を踏まえて整備していく。
【記念事業工事予算総額】 445,300,000円
【高山別院本堂等御修復工事日程】
第一期工事 別院本堂屋根改修工事・庫裡改修工事
工事期間 2016年4月~10月末 <工事完了>
第二期工事 別院本堂耐震補強工事・その他付帯工事・内陣荘厳修復工事
工事期間 2018年2月~12月末 <工事実施中>
【工事内容の変更】
<耐震補強工事-耐震補強方法の変更・庇補強工事の取りやめ>
工事内容の変更  耐震補強工事については、当初計画段階では鉄骨ブレイス方式が提示されてまいりましたが、さらに景観に配慮した方式として、H鋼材を格子状に組み上げ化粧材を敷設する新たな工法に変更されました。また、庇の補強工事についても、瓦屋根で無く銅板葺での工事となり軽量化されたこともあり庇自体の落下の危険性は小さいと判断し、庇補強工事も取りやめとなりました。
<本堂内陣荘厳御修復工事>

 本堂荘厳御修復工事については、当初計画されていた内容に加え、中尊前須弥壇宮殿をはじめ、主要な仏具及び内装の改修を行うことで計画されました。

<修復内容>
掛け軸修復・中尊前(宮殿・須弥壇・上卓・前卓・瓔珞・金灯籠)
祖師前(宗祖厨子・須弥壇・前卓・瓔珞・金灯籠)
御代前/右余間仏具(前卓) 法要仏具(御讃卓)
框金具腰板修復・襖修復・折障子修復・金紙張替え・漆塗り部分修復

 なお、別院列座職員の寄付により、嘉念坊上人の御厨子も御修復されることとなりました。

荘川桜本山植樹

高山教区・高山別院 宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌記念事業
親鸞聖人のもとへ 荘川桜真宗本廟植樹

植樹式 期日:2017年12月11日
会場:真宗本廟(東本願寺)阿弥陀堂南側

荘川桜植樹式  「荘川桜を東本願寺に植樹しよう!」。そんな声が上がったのは2010年のことでした。2017年12月11日、天候に恵まれた中、宗祖御遠忌記念事業として「荘川桜真宗本廟植樹式」が執り行われました。
 荘川桜は、阿弥陀堂南側の広々としたスペースに植樹され、式典には、ご門首夫妻や宗務総長、移植を手掛けていただいた加藤造園の方々のほか、高山教区から足を運んだ荘川・白川を中心とした団体参拝の皆さまなど、総勢100名を超える方々が参列されました。

飛騨真宗の祖嘉念坊上人と荘川桜

荘川桜  高山教区・飛騨真宗の歴史を紐解くとき、親鸞聖人と高山別院(飛騨御坊)照蓮寺の開基である嘉念坊善俊上人との伊豆三島での出遇いが先ず語られます(『嘉念坊御命日記』高山別院所蔵)。後に、嘉念坊上人は飛騨に招かれ、白川郷鳩ケ谷に道場を築かれ、飛騨に真宗の教えが伝わり始めます。蓮如上人の頃、一時断絶の危機はあったものの、荘川中野の地に照蓮寺として再興され、この頃から照蓮寺を中心道場として飛騨各地に念仏の道場が開かれ、親鸞聖人の明らかにされた真宗の教えがさらに広まり伝えられていきました。
 この飛騨真宗の歴史の語り部として、昭和30年代に御母衣ダム建設のため水底となった荘川中野の照蓮寺と光輪寺の境内地から現在の地に移植された「荘川桜」があります。樹齢500年ともいわれる二本の「荘川桜」の傍には、嘉念坊善俊上人の像が建てられています。

讃仰行事

御修復ブックフェアー

御修復ブックフェアー 飛騨地域書店で開催

 親鸞聖人のことを一人でも多くの方に知っていただきたい! 御遠忌に向けて、そういった機会をさらに広げたいとの願いから、飛騨地域の一般書店のご協力をいただき、「御遠忌ブックフェアー」を開催いたします。
 東本願寺出版の書籍をはじめ、親鸞聖人、浄土真宗に関係する書籍を置いていただいていますので、是非ご覧ください。

<ブックフェアー開催書店> 2018年の開催
田近書店(高山市岡本町) 2018年2月末まで(終了しました)
2019年3月1日~5月末
ブックス・アイオー(高山市岡本町) 2018年5月頃まで
2019年3月1日~5月末

※上記2店につきましては、2019年5月の御遠忌法要を前後して開催いただく予定です。

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